ビジネス時事通信Vol.22…【アルムナイ採用】
アルムナイ採用
お久しぶりです。色々あって少し間があいてしまいました。
今回は今注目の「アルムナイ採用」について書かせていただきます。
「アルムナイって何語やねん」ですが、
アルムナイの語源は、英語「alumnus」の複数形、つまり英語由来でした。
企業にとっては、退職者、元従業員を指します。
アルムナイ採用という言葉は、会社を退職された方を縁あって再度採用するということですね。
ではなぜ今このアルムナイ採用が注目されているのでしょうか?
一つ関連するワードとして、政府も掲げている「リスキリング」があります。
「リスキリング」については日本語に直すと「学びなおし」ではありますが、
退職理由に、「社内で得ることが出来ない領域の知識を学ぶため」であったり、
または「自己のステップアップのため」に退職する従業員がいます。
こういった退職者はその後数年で社内では得ることが出来なかった貴重な経験と知識を学ぶことになります。
つまり結果的に「リスキリング」したことになっています。
従業員を入社から育てて一人前にするためにはそれなりのリソースが発生しています。
退職するとそれが失われてしまうので、企業の損失は相当なものだと思います。
アルムナイ採用の企業側のメリットはこうしたリスキリングに対してコストを掛けずに成長した従業員を採用できることにあります。
そのまま社内で成長した場合と他方で成長した場合と比較して低コストでリスキリングしたと考えることも出来ます。
その一方でデメリットとしては、再雇用時に社内に残り続けた従業員との折り合いが難しいことが挙げられます。
ほとんどの企業では長く働く従業員のほうが序列は上ですから、後輩だった従業員が先輩であったり上司になるなど考えられます。
戻ってきてスキルが上がっているのに評価をうまく反映させられないなど人事面で舵取りは難しそうです。
いずれにしても人材難の日本の中で企業の生き残り策の一つとしてアルムナイ採用は頭に置いておいた方が良いです。
私も過去からいくつかの会社を退職してきましたが、
その退職時の企業の対応は様々でした。
その中には、退職届を受理しているにも関わらず3か月以上も退職できず
残業に次ぐ残業で有休も使えないぐらい転職先とコミュニケーションが取れないくらい忙しくさせられたり、
既定の退職金が支払われないなどありました。
退職すると言った瞬間に人権が失われるような感覚ですね。
上記については極端な事例ですが企業対応については、退職するときほど退職者に親切丁寧に接しなければならないと大変なことになります。
それがどんな理由であってもです。退職者は会社の広報のような存在になります。
退職しても大概はその業界のどこかで接点があったりするものですし、
少なくともひどい対応をされた会社に対しては良いイメージを持ちません。それが拡がって会社の評判を下げていくことになります。
この感覚もジェネレーションギャップがあると思っていて、
人事権を持っている世代、人がいっぱいいた時代を生きてきた方々は果たして理解できているでしょうか?
「縁」を大事に、アルムナイ採用はその会社が戻りたい会社であることが前提ですよ!