ビジネス時事通信Vol.24…【公私混同】

公私混同

明けましておめでとうございます。
令和6年の幕開けは地震と飛行機事故でした。
悲しみに包まれた年明けであったと思います。

ちょうど私は観光でタイに居ましたが、タイでもセンセーショナルなニュースとして、
報道されていました。
世界的な出来事であったことは間違いありません。
特に航空機から客が全員無事に脱出した話は世界の驚きであったと思われますが、
私はこれが客も含め全て日本人だから成しえたと分析します。

タイではお客さんが来ていないアパレル店などでは店員がスマホで動画を見ながら横になってたり寝てたりしている、
それが個人店チェーン店関係なく、ましてや警察までもそのような感じでした。
だれが店員でだれが客なのかわからないような状況です。
日本だとまずありえないことと受け止めますが、彼らの仕事はそれで良いということなのでしょう。
仮に日本で日本人の店員がそのようなことをやっていたらどうでしょうか?
大半の客の日本人はけしからんとして激怒するのではないでしょうか?私なら少なくともイライラするかもしれません。
実はタイに滞在した中で激怒している人を見ませんでしたし、皆幸せそうな雰囲気ではありました。

日本は世界一客がうるさい国です。
客がうるさすぎて、それに応えようとしてたゆまぬ企業努力が生まれる国でもあります。
それがいつの間にか日本人の当たり前になり、「お客様は神様」というワードが生まれるようになりました。
しかしそれが近年ではそうではなくなってきています。
行き過ぎた客の要望に企業側が我慢できず応えなくなってきました。
原因としては要望に応えるサービスコストを、人件費の高騰などで利益が圧迫され価格に折り込む余裕がなくなってきたからです。
企業は客の要望を断るようになり、だんだんと客もそれを理解してうるさくなくなってきています。
たまに理解できていないご老人とかが怒っているのを見ますが、その感覚はもはや過去のものになりました。

ではこれが進んでいくとどうなるでしょうか?
会社は不透明なサービスを客に提供することを従業員に要求しなくなっていき、
そこに書かれていないことは守る必要がないとなっていきます。まさにタイがそんな感じですよね。
客もある意味別の会社の従業員ですから、それを理解しているので怒る気もないわけです。
なるほど、このままいくとそうなるのか。少なくとも外国人がいっぱい入ってくればそうなるかもしれないですね。

タイトルに入れた「公私混同」ですが、昔は「公私混同するな!」といわゆる怒られワードではあったのですが、
企業によっては「積極的に公私混同しろ!」という企業も出てきました。
最近の企業は従業員の健康やメンタルをサポートするというところからプライベートの充実までサポートするというところまで考えてあげなくてはならなくなっています。
言い換えるなら「公」も「私」も充実させるために「公私でメリットがあることはどんどんやりなさい」というスタンスです。

例で言うと、今回私が「私」でタイに行くことは社内イントラのスケジュールで明示していました。故に年始の地震で連絡が取れなくても「タイにいるから」と皆が認識できるわけです。
これが「私」だからと言ってopenにしていなければ連絡が無かった時に色々なところで心配をかけることになったのではないでしょうか。
このように正しい公私混同は企業側にもメリットがあるわけです。私自身も意図して仕掛けているところはあります。
たまに「個人のスケジュールを入れるな」と言ってくる方がいますが、「なんの迷惑をかけているのか?」と内心思っています。
注意点があるとすれば、「私」を充実させるために「公」が犠牲になるような公私混同はたぶん怒られます。
この辺りはケースバイケースで考えたほうがいいでしょう。
やり過ぎるとタイで見た客が来てもスマホをいじって寝てる店員、お菓子を食べながらチェックインカウンターで受付されたりすることになります。

いずれにしても日本人はカリカリしすぎですね。私も少し反省しました。